バックアップでは最初(あるいは特定のタイミング)だけ丸ごとコピーして、その後は変わった分だけ保存する方式がよく使われます。
たとえば、CドライブとDドライブを合わせて2TBあるとしても今日変更されたデータが5GBだけなら毎回2TB全部コピーする必要はありません。今日の分は増えた、消えた、更新されたものだけを覚えておけばいいわけですね。
毎回フルバックアップすると何が困る?
保存するデータ量が非常に大きくなるためバックアップ先にも大きな空き容量が必要になります。また、保存する容量が多いということはバックアップ処理に時間がかかってしまいます。
さらに、毎回大量の読み書きをするのでSSD・HDD・NASにも負荷がかかります。特にHDDやNASだと、毎回フルコピーはなかなかの重労働です。SSDにも書き込み可能な総データ量の目安、いわゆるTBWがあるため毎回大量に書き込む運用はあまり効率的とはいえません。
差分バックアップと増分バックアップの違い
バックアップには主にこんな考え方があります。「フルバックアップ+差分バックアップ」、または「フルバックアップ+増分バックアップ」で運用されることが多いですね。
- フルバックアップ(Full Backup)
バックアップ対象に選んだデータをすべて保存する方式です。対象はドライブやシステム全体だけでなく、特定のフォルダーやファイルの場合もあります。このバックアップ単独で取得時点の対象データを復元できます。 - 差分バックアップ(Differential Backup)
直近のフルバックアップから変わったデータをまとめて保存します。変更が積み重なると1回に保存するデータ量は増えやすくなります。復元に必要なのは基準となるフルバックアップと、戻したい時点の差分バックアップです。途中の差分バックアップは使いません。 - 増分バックアップ(Incremental Backup)
直近のバックアップから変わったデータだけを保存します。毎回の保存量を抑えやすい一方、フルバックアップの後に増分を順に取得する基本的な方式では復元に基準のフルバックアップと戻したい時点までの増分バックアップ一式が必要です。復元時間は増分の数やデータ量、ソフトの仕組みによって変わります。
各方式の仕組みはAcronisの「差分・増分・フルバックアップの違い」でも確認できます。


個人PCのバックアップはどちらが使いやすい?
個人PCを毎日バックアップするなら保存容量や取得時間を抑えやすい増分バックアップが候補になります。復元に必要なバックアップを少なくしたいなら差分バックアップが向いています。バックアップ先の空き容量と復元時の扱いやすさを基準に選ぶと分かりやすいです。
増分バックアップでは、復元に必要な途中のデータが欠けたり壊れたりすると、それに依存する時点へ復元できなくなるおそれがあります。古いバックアップを手作業で削除せず、ソフトの世代管理機能で整理してください。定期的なフルバックアップや増分の統合に対応している場合は、保存期間に合わせて設定し、検証機能や実際の復元でバックアップを確認しておくと安心です。
Acronis、Macrium Reflect、EaseUS Todo Backupなどのイメージバックアップ系ツールはこのあたりの世代管理をしてくれるものがあります。
WindowsでUSB接続の外付けドライブへバックアップする場合は保存後に取り外すタイミングにも注意が必要です。書き込みキャッシュと「安全な取り外し」の関係はこちらで解説しています。


保存や取り外しなどのデータを安全に扱う仕組みをほかにも知りたい方はIT雑学まとめから関連記事を探せます。







