Chromeでは2024年からManifest V2の拡張機能の無効化が段階的に進み、2025年のChrome 139で動作しなくなりました。2026年8月31日は残っていたManifest V2の拡張機能をChromeウェブストアから削除する日として案内されていたものです。
筆者も似たようなことがありまして、何年も使っていたPushbulletという拡張機能がManifestV3に移行しないことによるサポート対象外となっていることがありました。


「2026年8月31日に削除」と聞くとその日に拡張機能が動かなくなったように思えますがChromeでの無効化とストアからの削除は別の段階です。この記事ではManifestの基本、終了までの流れ、使えなくなった拡張機能の確認方法を整理します。
そもそもManifestって何?
Manifest(マニフェスト)とは拡張機能の設計図にあたるmanifest.jsonという設定ファイルのことです。拡張機能の名前やバージョン、必要な権限、バックグラウンド処理の方法などをここに記述します。
このマニフェストファイルの書式バージョンが「Manifest V2」や「Manifest V3」と呼ばれているもので、拡張機能の作り方のルールブックが世代交代したとイメージすると分かりやすいと思います。
Googleはセキュリティ、プライバシー、パフォーマンスの向上を目的に、Manifest V3への移行を進めてきました。主な変更は、バックグラウンド処理のService Workerへの移行、外部から取得したコードの実行制限、通信の遮断・変更方法の見直しです。具体的な違いは後の比較表で整理します。
Manifest V2はここまで長い時間をかけて終了に向かってきた
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2024年6月 | Beta・Dev・Canaryの一部ユーザーにManifest V2終了の警告を表示開始。 |
| 2024年10月 | 全ユーザーへの警告表示に加えStableでもManifest V2拡張機能の段階的な無効化を開始。 |
| 2025年3月 | 全チャンネルで原則無効化、一時的な再有効化や企業向けポリシーの例外は継続。 |
| 2025年7月24日時点 (Chrome 138) | 一般ユーザーによる再有効化ができなくなる。企業向けポリシーによる例外は残る。 |
| 2025年8月5日 (Chrome 139安定版の公開) | Chrome 139では企業向け例外ポリシーも削除、139以降へ更新するとManifest V2拡張機能は動作しない。 |
| 2026年8月31日 | 残っているManifest V2拡張機能をChromeウェブストアから削除。 |
出典:Google公式のManifest V2終了スケジュール
多くの人にとって「拡張機能が実際に動かなくなったタイミング」はもう1年以上前に過ぎていることになります。8月31日はその最後の後始末にあたる日という位置づけです。
2026年8月31日のストア削除で変わること
Googleが2026年8月31日の変更として案内しているのは残っているManifest V2拡張機能のChromeウェブストアからの削除です。対象のManifest V2拡張機能は更新を受け取れなくなり、Chromeから削除した場合もChromeウェブストアから再インストールできなくなります。
また、Manifest V2の拡張機能は2025年のChrome 139で使えなくなっているので、インストール済みの一覧に残っていても現在のChromeで再び有効にすることはできません。
使えなくなった拡張機能を確認する方法
- Chromeのアドレスバーに
chrome://extensionsと入力して拡張機能の管理画面を開きます。 - 無効になっている拡張機能や警告が表示されている項目を探し、表示された理由を確認します。必要に応じて「詳細」も開いてください。
- 拡張機能の開発元サイトや公式の配布案内でManifest V3への対応状況や代替版の有無を確認します。
「サポートされていない」といった警告だけではManifest V2が原因とは断定できません。警告の説明と開発元の案内を照らし合わせて判断してください。
Chromeの警告や保護設定も確認したい場合は危険なサイトを判定するセーフブラウジングの仕組みと保護レベルの違いが参考になります。


Manifest V2とV3の主な違い
| 項目 | Manifest V2 | Manifest V3(Chrome) |
|---|---|---|
| バックグラウンド処理 | バックグラウンドページ。常駐型と必要なときだけ動くイベントページがある。 | 必要なときに起動するService Worker。 |
| 通信の監視 | 権限に応じてwebRequestを利用。 | webRequestは引き続き利用可能。 |
| 通信の遮断・変更 | webRequestのブロッキング処理を利用可能。 | 原則としてdeclarativeNetRequest のルールで制御。 |
| 外部から取得したコードの実行 | 条件に応じて利用可能。 | 原則禁止。実行するコードは拡張機能に同梱。 |
広告ブロッカーへの影響が大きいのは、通信をその場で判定して遮断・変更する仕組みが変わったためです。Manifest V3では原則として拡張機能が登録したルールをブラウザ側で処理します。
代替拡張機能を探すときの注意点
「代わりの拡張機能を探す」で候補が見つかってもそのまま追加する前に確認しておきたい点があります。
- 開発元が元の拡張機能と同じか、公式なフォークとして案内されているか。
- 要求される権限が元の拡張機能より必要以上に広くなっていないか。
- 更新日やレビュー件数が極端に古い・少ないままになっていないか。
たとえばuBlock Originの開発者はManifest V3に対応した別の拡張機能「uBlock Origin Lite」を提供しています。が、機能は同一ではなく自動的に置き換わるものでもありません。必要な機能があるかを確認したうえで開発元の公式案内から選んでください。
Brave・EdgeなどChromium系ブラウザはどうなる?
Manifest V2の終了はChrome固有の話に見えますが、実は同じChromiumをベースにした他のブラウザにも影響します。
| ブラウザ | Manifest V2の状況 |
|---|---|
| Google Chrome | 完全終了。2026年8月31日にストアからも削除。 |
| Microsoft Edge | 2026年8月からPartner Centerで開発者向けの廃止警告を表示。企業向けの廃止は2027年初頭から開始予定。一般ユーザー向けの終了日は確認した公式日程には明記されていない |
| Brave | uBlock Origin・AdGuardなど一部の拡張機能を自社サーバーでホスティングし限定的にサポートを継続(設定からオンにする操作が必要)。 |
| Opera | 2026年5月の公式記事で既存のManifest V2拡張機能のサポート継続を案内。 |
| Firefox | Chromiumベースではないため独自路線を継続。Manifest V2・V3を両方サポートしwebRequest APIも維持。 |
| Vivaldi | 2026年8月の開発版でManifest V2対応の再有効化と延長を案内。利用する安定版での対応状況は別途確認が必要。 |
つまり「Chromeで使えなくなったから同じChromiumベースのブラウザに乗り換えれば安心」とは言い切れない状況です。乗り換えを検討するなら、目的の拡張機能がそのブラウザで今後もサポートされる見込みがあるかまで確認しておくのがおすすめです。
迷いやすいポイント
まとめ
- Chromeでの動作終了とChromeウェブストアからの削除は別の段階なんだよ。
- インストール済みの一覧に残っていてもChrome 139以降ではManifest V2の拡張機能は動かないんだよ。
chrome://extensionsで無効化の理由を確認して開発元の対応案内もチェックしてね。- 乗り換え先を探すときは開発元や権限の範囲までチェックしておくと安心だよ。
- Edge・Brave・Firefoxなどブラウザによって対応状況がかなり違うから乗り換えを検討するときは確認しておいてね。
スマホ版Chromeで拡張機能が使えない理由など身近なアプリやサービスの仕組みはIT雑学・ぷちQAまとめから読めます。







